金縛りにあったので左上腕三頭筋で脱出した話

ぎんじろう
感謝してます!ギニーWebのぎんじろう(現在31歳)です。

先日の昼、12時ごろ。仰向けで二度寝していたら、金縛りにあった。

 

前半は最高だった。

 

グレーのブリティッシュショートヘアーの猫が、僕の胸から首の上あたりで丸くなって寝ていた。もふもふで、めちゃくちゃ幸せな時間だった。ずり落ちても、何回も律儀に登ってくる。かわいすぎる。

 

ただ、この時点で妙に体が動かないことに気づいた。以前、金縛り経験が豊富な知人から「金縛りのときって、なぜかよく猫が出てくるよ」と聞いたことがあったのを思い出し、「あ、これもしかして金縛りかもしれない」と察知した。ちなみに金縛り自体、子供の頃に経験して以来だったので、ざっと20年ぶりくらいだった。

 

このまま平和に二度寝が終わればよかったのだが、話はそこで終わらない。

 

気づくと、左側に黒い何かがいた。輪郭ははっきりしないけど、幽霊っぽい何かだった。そいつが、布団ごと僕の顔を押さえつけてきた。

 

正直、この時点で「やっぱり金縛りだったか」と冷静に状況を把握している自分もいた。長年武道をやってきて、滝に打たれたり、山に籠ったり、殴り合いの試合を何度も経験してきたおかげか、こういう修羅場には妙に慣れている。パニックにはならなかった。

 

ただ、感情としては結構ムカついていた。左手は万歳した状態で固まっていて、猫と一緒に幸せに寝ていたところを、いきなり顔面を布団で圧迫してくる。実家にも猫がいるくらい猫が好きな僕の、あの幸福な時間を邪魔しやがって、という怒りが湧いた。

 

「幽霊より俺の筋肉の方が絶対強いだろ。動け、俺の左上腕三頭筋!!!!!!!!!」

 

そう念じた瞬間、万歳したまま固まっていた左腕が動き出し、アイアンクローのようなフォームのまま、そのまま幽霊(仮)のどあたま目掛けて振り下ろした。そのまま押し潰すように直撃。笑

 

そして脱出。

 

脱出直後、なぜか反射的に柏手を二回打った。パン、パン。神社が好きで、お祓いの作法として体に染み付いていたのか、無意識にお祓いをかましていたらしい。

 

結果、金縛り撃破。自分の精神力の強さに、自分で一番驚いた。ジョジョ風に言うなら、あの瞬間だけ「幽霊にも殴りかかれるスタンド」が発動していたのかもしれない。笑

 

今こうして書いていて改めて思うが、金縛りで動けない状況から「逃げる」でも「耐える」でもなく、寝ぼけながら幽霊に攻撃を仕掛けにいくという判断、我ながらなかなかクレイジーだと思う。普通は念じるにしても「早く終われ」とかだと思うのだが、なぜか僕は叩き潰しにいった。

 

ちなみに後で気づいたのだが、普段スマートデバイスでバイタルデータを記録しているので確認してみたら、金縛りが起きていたと思われる時間帯だけ、心拍数・血圧・血中酸素濃度・呼吸数がきれいに全部下がっていた。データ的にも「その時間、明らかに何かが起きていた」ことだけは証明された形になる。まあ、レム睡眠中は本来そういう変化が起きやすい時間帯でもあるので、幽霊の証拠というよりは、ちゃんと深く眠っていた証拠なんだと思う。

 

冷静に考えると、たぶんただ疲れていて変な夢を見ただけだと思う。でも、左上腕三頭筋が実戦で役に立った瞬間として、個人的には記録しておきたい出来事だった。日頃のトレーニングは、こういうところで急に効いてくるものらしい。笑

 

ちなみに猫はずっともふもふでかわいかった。それだけは事実。

 

金縛りって、そもそも何なのか

ここからは真面目な話。というか、真面目に調べたら普通に筋トレの話に着地したので、その流れで書く。

 

金縛りは医学的には「睡眠麻痺」と呼ばれる現象で、心霊現象ではなく、レム睡眠に関連したメカニズムで説明されている。眠っている間、脳と体は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を交互に繰り返していて、レム睡眠中は夢を見ながら体の筋肉が弛緩し、力が入らない状態になる。

 

このとき、何らかの理由で脳だけが先に覚醒してしまうと、体の筋肉の麻痺だけが残ったまま意識がはっきりしてしまう。これが金縛りの正体。息苦しさや圧迫感、人の気配のような幻覚を伴うことも多いらしく、僕が見た黒い影も、たぶんこの「入眠時幻覚」の一種だったんだと思う。

「昼寝は科学、深夜は霊的」は本当か

これはよく言われる都市伝説で、僕も面白がって記事タイトルに使いたい気持ちはあるんだけど、正直に書くと、医学的には昼寝(入眠時)でも深夜の覚醒時でも、金縛りが起きるメカニズム自体は基本的に同じレム睡眠関連の現象だと説明されている。「深夜にいきなり起きたパターンだけ霊的」という科学的な線引きは、今のところ見当たらなかった。

 

とはいえ、雰囲気は圧倒的に深夜の方が怖いし、都市伝説として語り継がれる気持ちはめちゃくちゃ分かる。今回の僕のケースは昼の12時、二度寝中だったので、思いっきり「科学側」の金縛りだったということになる。猫は可愛かったが、幽霊はただの夢だった可能性が高い。

 

金縛りから抜け出すコツは、実は「指先」

一般的に紹介されている脱出のコツは、いきなり全身を動かそうとしないこと。腕や脚、胴体のような大きな筋肉は完全に麻痺しているように感じても、指先や足先、まぶたのような体の末端の小さな筋肉は、比較的コントロールを取り戻しやすいと言われている。まずは指を一本だけ動かす意識を集中させて、そこから徐々に範囲を広げていくのがセオリーらしい。

 

……という正攻法を、僕は今回まるっとすっ飛ばして、いきなり左上腕三頭筋という「大きい筋肉」で幽霊(仮)にアイアンクローをかまして強引に脱出した。教科書的には逆張りムーブだったわけだが、結果的に勝てたので良しとする。笑

なぜ三頭筋がいきなり動いたのか(筋トレしとけという話)

金縛り中に大きい筋肉から先に動かせたのは、褒められたやり方ではないにしても、日頃のトレーニングで「特定の筋肉を意識的に収縮させる感覚(マッスルコントロール)」を体に覚え込ませていたからだと思っている。

 

筋トレは、ただ筋肉を大きくするためだけのものじゃなく、「自分の意思で、狙った筋肉をピンポイントで動かす」感覚を鍛える行為でもある。この感覚が体に染み込んでいると、いざという時——それが金縛りだろうと、日常のふとした瞬間だろうと——体が反応してくれる場面があるらしい。今回、それがたまたま幽霊(仮)相手だっただけだ。

 

というわけで結論。

 

みんな、筋トレしよう。笑

 

いつどこで役に立つか、本当に分からない。

実は、前夜の筋トレが金縛りの遠因だった説

ここまで「筋トレのおかげで幽霊に勝てた」という話をしてきたが、実はもう一つオチがある。金縛りにあった前の晩、全身筋トレをしていた。しかもいつものメニューと違って、ダンベルワンレッグデッドリフトという不慣れな種目を入れていた。

 

調べてみると、金縛りの誘因としてよく挙げられるのが「体が限界まで疲れている状態」で、徹夜明けなど疲労が蓄積しているときほど金縛りが起きやすい傾向があるらしい。普段やらない種目を入れたことで、いつもより筋肉への負荷や疲労度が上がっていたのだとすれば、この「疲労困憊で金縛りになりやすい」というパターンには当てはまりそうだ。

 

ワンレッグデッドリフトそのものが金縛りの直接的な原因になる、という研究や情報までは見つからなかったので、あくまで「不慣れな種目で普段より疲れていた」という一般的な疲労の話として捉えるのが妥当だと思う。

 

つまり、筋トレで幽霊を倒した男は、実は前の晩の筋トレによって、自ら金縛りの原因を作っていた可能性がある。因果応報というか、マッチポンプというか。それでも結論は変わらない。

 

みんな、筋トレしよう。笑(ただし追い込みすぎには注意)




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